双日とGinkgo、合成生物学の研究開発で提携

双日株式会社とGinkgo Bioworks, Inc.は、日本国内においてGinkgoの合成生物学分野における研究開発サービス(バイオファウンドリサービス)を共同展開することで合意し、業務提携契約を締結した。両社は今後、日本の製造業に対し、合成生物学を活用するバイオものづくりの導入を促進することで、持続可能なものづくりへの貢献を目指す。

Ginkgoはバイオものづくりにおいて、微生物などの細胞開発とバイオセキュリティの両分野で、先進的なプラットフォームを構築している。両社は今後、日本企業向けにGinkgoの細胞開発分野のプラットフォームを活用したバイオファウンドリサービスを共同で展開する。双日は、事業開発力と顧客網を活かし、石油化学をベースとした製造プロセスからバイオベースの製造プロセスへの転換を検討している潜在顧客に対し、Ginkgoが強みを有する合成生物学によるソリューションを提案していく。

なお、「バイオものづくり」とは、微生物などの生物の機能を活用して有用物質を作り出すことで、「バイオファウンドリサービス」は、有用物質を生産する微生物やその微生物を利用した生産プロセスの研究開発を受託するサービスのこと。

日本政府は、2030年時点で92兆円規模のバイオ関連市場の形成を目指す「バイオ戦略」を策定し、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという気候変動に関する目標に取り組んでおり、産業界全体でバイオテクノロジーの活用を促進している。Ginkgoは自社のサービスが日本のバイオエコノミー社会の実現に活かされ、政府目標達成にも貢献できるものと考えている。

双日 常務執行役員 泉谷幸児は、「CO2排出量削減と持続可能なバイオベースの製造プロセスの開発に取り組む日本企業に対し、Ginkgoの技術を提案できることを喜ばしく思う。Ginkgoの合成生物学における専門知識と幅広い技術力は、工業分野を含む日本の多種多様な業界において、製造プロセス変革に向け貢献できるものと確信している」とコメントしている。

Ginkgo Chief Business Officer エナ・クラッツェンバーグは、「日本のバイオエコノミーを強化するために、双日と協業できることを嬉しく思う。双日は日本の主要な工業・化学企業を含む素晴らしいビジネスネットワークを構築しており、高い評価を得ている。日本のお客様とともに、当社の合成生物学のプラットフォームを活用し、バイオベースで製造された持続可能な製品の開発と上市を活性化できることを楽しみにしている」と述べている。