中小建設業の業績拡大3割が4年継続 価格転嫁の成否で差 クラフトバンク総研調査
クラフトバンク株式会社が運営するクラフトバンク総研は、全国の中小建設企業に従事する1,924名を対象に実施した「中小建設業経営実態調査2026」の結果を公表した。物価高や労務費の高騰が続く中、直近1年間の業績について「拡大した」と回答した企業は約3割にとどまり、2023年から4年間ほぼ同様の傾向が続いている。調査では、価格転嫁や原価管理の取り組み状況によって業績に明確な差が生じている実態が明らかになった。
業績は4年間「拡大3割・縮小2割」が継続 小規模企業に厳しさ
直近1年間(2026年)の勤務先企業の業績動向について聞いたところ(「わからない」を除くN=1,749)、「拡大した」が32.8%、「横ばい」が49.6%、「縮小した」が17.6%だった。この「拡大約3割、縮小約2割」という構造は2023年から4年間ほぼ変化しておらず、物価高が本格化した2024年以降も同様の分布が続いている。

年商規模別に見ると、規模が大きいほど業績拡大率は高く、縮小率は低い傾向がみられた。年商1億円未満の企業では業績拡大が23.5%、業績縮小が25.6%となり、5区分の中で唯一「縮小」が「拡大」を上回った。なお、所在地の人口規模別では業績拡大企業の割合が東京23区で37.4%、人口5万人未満の地方で32.4%と大きな差は見られなかった。

価格転嫁と価格交渉の実施率が業績を左右


経営者(N=632)を対象に直近1年間の受注単価の変化を調べたところ、業績拡大企業では69.2%が「単価が上がった」と回答した一方、業績縮小企業では32.3%にとどまった。

発注者や元請けとの価格交渉の状況についても、業績拡大企業では78.0%が「価格交渉が行われた」(発注側からの申し入れ32.6%+自社からの申し入れ45.4%)と回答したのに対し、業績縮小企業では47.5%(発注側からの申し入れ20.2%+自社からの申し入れ27.3%)にとどまり、交渉への取り組み姿勢が業績に影響している様子がうかがえる。

原価管理体制に約25ポイントの開き


現場別の原価管理状況(N=1,749、業績が「わからない」を除く)でも業績による差がみられた。業績拡大企業では84.0%が現場別原価管理を「できている」(一部できている53.0%+完璧にできている31.0%)と回答したのに対し、業績縮小企業で「できている」としたのは59.0%(一部できている42.0%+完璧にできている17.0%)で、両者の間には約25ポイントの差があった。
クラフトバンク総研所長の髙木 健次氏は、資材価格の高騰と連動して発注者と価格交渉を行い、価格転嫁を進められるかが経営上も重要であると指摘している。
中東情勢悪化によるナフサ系樹脂(塗料・断熱材・防水材など)の欠品影響(価格上昇は含まない欠品のみ)については、全回答者1,924社中「欠品・入荷遅延については問題なかった」が50.8%と過半数を占め、資材欠品の影響は限定的だった。
ただし商流によって影響には差があり、ナフサ系資材を多用する民間住宅工事メインの企業では56.5%が何らかの欠品影響を受けており、公共工事メイン(43.4%)と比べて13.1ポイント高い結果となった。
調査概要および会社概要
【調査概要】
- 調査名:中小建設業経営実態調査2026
- 調査主体:クラフトバンク総研(クラフトバンク株式会社)
- 調査対象:全国の建設業に従事する経営者・事務員・職人 計1,924名(経営者632名、事務員647名、職人645名/社員数5~100名、法人かつ職人を正社員として雇用する企業)
- 調査方法:インターネット調査(調査委託:株式会社マクロミル)
- 調査期間:2026年7月〜8月
- 有効回答数:1,924件
【会社概要】
- 会社名:クラフトバンク株式会社
- 所在地:東京都中央区日本橋久松町12-8 DeLCCS 日本橋久松町8階
- 代表者:代表取締役社長 韓 英志(Youngji Han)
- 事業内容:建設業向け伴走型AI・DX共創事業 / 業界活性化支援事業
- 資本金:1億円
本記事はクラフトバンク株式会社の発表をもとに作成。
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