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擁壁対策で自治体が求める民間支援は啓発や情報提供が上位 日本擁壁保証協会が調査

一般社団法人 日本擁壁保証協会は、「2025年度 日本擁壁実態調査」の結果を公表しました。調査によると、擁壁対策を効率的に進めるにあたり自治体が関心を寄せる専門機関や民間企業の支援は、実務面よりも所有者への働きかけや判断を支える領域に集まる傾向が見られました。擁壁対策を進めるうえでの課題としては、民有地であるため指導や介入が難しい点が多く挙げられています。

自治体が関心を寄せる民間の支援は知識や判断を支える領域が上位

専門機関・民間企業の技術やサービスの活用に関心があるものを複数回答で尋ねたところ、「所有者・管理者への啓発・相談対応の支援」が27.4%でもっとも多くなりました。次いで「有効な対策に関する情報提供」が26.0%、「危険度のチェックや判定ノウハウの提供」が24.7%となっています。

この結果から、自治体が関心を寄せる支援は、調査の委託や点検の派遣といった実務面よりも、所有者への働きかけや判断を支える領域に集まる傾向がうかがえます。

課題の最多は民有地への介入の難しさ

擁壁対策を進めるうえでの課題としてもっとも多く挙がったのは「民有地であるため指導・介入が難しい」で、60.3%が課題と捉えています。民有地の擁壁は所有者との接点が対策の入口となりますが、行政が直接指導できる範囲には限りがあり、所有者の特定や費用負担、判断の難しさといった領域が残されています。

現場の自治体担当者からは、民有の危険擁壁について調査を求められても業者を紹介する対応にとどまり、具体的な調査や対策は相談者任せになっているため効果的に対策できていないと感じているという声も寄せられています。行政が民間事業者を紹介した後の調査や対策が所有者に委ねられている実態があり、同協会はその橋渡しの先に民間事業者が関わる余地があるとしています。

民間事業者が担う擁壁会員制度の取り組み

同協会では、擁壁の安全啓発を通じて住環境を守るサポーターを「擁壁会員(サポーター)」として登録する制度を運営しています。不動産仲介・買取業、管理会社、建築設計事務所、土地家屋調査士・行政書士等の士業などの事業者が、本業を持ちながら以下の役割を担う仕組みです。

  • 既存顧客や管理物件等における「危ない擁壁」の早期発見
  • 現地にて対象擁壁の目視、排水状況、傾斜等の擁壁安全調査の実施
  • 擁壁の重要性に関する啓発活動

擁壁会員が担うのは、目視を中心とした簡易的な診断・適合調査や啓発、相談の入口です。行政による指導・介入を代替するものではなく、行政の取り組みを補完して所有者との接点をつなぐ役割とされています。同協会は今回の調査結果を、行政と民間事業者がそれぞれの立場で役割を担うための材料として発信していくとしています。

調査概要

  • 調査名称:2025年度 日本擁壁実態調査
  • 調査対象:全国157自治体394部署(擁壁が存在し得る自治体の建築・開発・道路・土木・まちづくり・防災等の担当部署)
  • 調査方法:郵送・インターネット調査
  • 調査期間:2026年2月10日~2026年3月31日
  • 有効回答数:n=73(394部署への事前調査後、本設問回答数)

一般社団法人 日本擁壁保証協会の概要

  • 法人名:一般社団法人 日本擁壁保証協会
  • 所在地:〒105-0013 東京都港区浜松町1-2-1 NoR浜松町9階
  • 事業内容:擁壁保証及び地盤保証各種の提供/擁壁診断士の教育指導及び育成/擁壁診断企業・擁壁補修企業との連携/擁壁保証に関する普及啓蒙活動/擁壁診断の補助金制度の検討及び要請/新しい保証システムの構築/セミナー開催 等
  • URL:https://youheki.or.jp/overview/
  • 擁壁会員制度のご案内:https://youheki.or.jp/retaining-wall-member/
  • TEL:03-5817-8487
  • MAIL:research@youheki.or.jp

本記事は一般社団法人 日本擁壁保証協会の発表をもとに作成されています。

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