ULVACとSAL、次世代の光デバイス実現のため薄膜ニオブ酸リチウムの量産向け技術開発で連携
株式会社アルバック(ULVAC)とオーストリアの先端技術研究機関Silicon Austria Labs GmbH(SAL)は、2024年11月より薄膜ニオブ酸リチウム(TFLN)の量産製造プロセス向けプラズマエッチング技術の開発において連携すると発表した。
TFLNは次世代の光デバイスに必要とされる材料で、広帯域、低損失、高効率な電力特性を持ち、生成AIの普及に伴い増大するデータ通信容量の需要に応える最適な材料として注目を集めている。ニオブ酸リチウム(LN)は優れた電気光学的、圧電的、非線形光学的特性を有し、フォトニクスおよび通信分野で理想的な材料とされている。
SALはULVACのプラズマエッチング装置「NLD-5700」を導入し、TFLNの研究開発を推進する。この取り組みでは、200mmプラットフォーム上での材料統合およびスケーラビリティの向上を目指し、製造プロセスの最適化を進めていく。
ULVACの執行役員で装置事業本部電子機器事業部長の岩井治憲は、「ULVACは光デバイス分野を今後の成長を支える重要な領域と位置付けている。SALとの協力は、長年にわたる化合物分野における実績を活かし、両社にとって有益な結果を生むと確信している」とコメントした。
一方、SALの常務取締役であるMohssen Moridi博士は、「ULVACの独自のプラズマ技術と、SALの集積フォトニクスの専門知識を組み合わせることで、次世代分野における技術革新を推進していく。このパートナーシップは、マイクロエレクトロニクスエコシステム全体に利益をもたらすソリューションを提供するという強い意志を示している」と述べた。
両社は急増するデータ通信容量の需要に対応しつつ、複雑化する相互接続の課題に取り組むため、互いの強みを活かしながらこの新たな分野での協力を進めていく方針だ。