吉沢亮主演『国宝』映画化決定、書店展開開始

吉田修一の最高傑作とされる小説『国宝』が映画化されることが決定した。主演を務めるのは吉沢亮で、2025年に全国東宝系で公開される予定だ。映画化を記念して、吉沢亮の写真が掲載された新帯が付けられた書籍の重版が決定し、4月から全国の書店で展開が始まる。

『国宝』は、2017年から18年にかけて朝日新聞で連載され、大反響を呼んだ作品だ。吉田修一が歌舞伎の世界に挑んだ本作は、日本文学の伝統に脈々と流れる芸道小説の金字塔とされ、『悪人』『怒り』に次ぐ最高傑作と評されている。映画化にあたり、監督には李相日、脚本には奥寺佐渡子が迎えられた。

本作は、芸術選奨文部科学大臣賞と中央公論文芸賞をダブル受賞している。物語は、任侠の家に生まれながらも、上方歌舞伎の大名跡の一門に入り、芸の道に青春を捧げた名もなき少年が、その頂点へと登りつめ、命を賭して国の宝となるまでを描いている。

映画化決定の情報が3月初旬に解禁された後、朝日文庫既刊の原作に吉沢亮の写真をあしらった新帯を巻いて出荷が開始された。全国の書店で購入可能だが、在庫がない場合は、映画帯希望の旨を添えて各書店あるいはASA(朝日新聞販売所)に注文することが可能だ。ただし、ネット書店での注文の際には、映画帯の付いていない場合もあるため、注意が必要だ。

原作の『国宝』は、上下巻で構成され、朝日文庫から刊行されている。各巻の定価は880円(本体800円+税10%)で、上巻は408ページ、下巻は432ページからなる。映画化により、再び注目を集めることとなるこの作品の魅力を、ぜひ書店で確かめてほしい。