リーガルテック、介護向けバーティカルAIの技術課題と国内特許動向を調査
リーガルテック株式会社は、特許調査・発明抽出プラットフォーム「MyTokkyo.Ai」を使用し、介護産業における「バーティカルAI開発を阻む技術課題と国内特許動向」を調査した。見守りや介護記録、体調変化予測などの技術が広がる一方、データ統合や熟練職員の暗黙知の継承、説明可能性とプライバシーの両立が主要な課題として浮き彫りとなった。
介護分野におけるAI活用の背景と調査概要
厚生労働省の推計によると、介護職員は2026年度に約240万人、2040年度に約272万人が必要とされ、2022年度の約215万人と比べてそれぞれ約25万人、約57万人を新たに確保する必要がある。同省は介護分野の生産性向上について、単なる業務量の削減ではなく、業務改善で生まれた時間を利用者とのコミュニケーションやケアの質向上に充てる「介護の価値を高めること」と位置付けている。

今回の調査では、AIを職員の代替ではなく機械に任せられる業務を支援し人が人に向き合う時間を生み出す技術と捉え、介護現場固有の業務やデータ、判断基準に対応する「バーティカルAI」に焦点を当てた。出願日が2019年01月01日 ~ 2026年01月01日の日本国内の公開特許・登録特許を対象に、2026年08月28日に検索を実施した。
散在するデータ統合が最大の技術課題
調査結果によると、最大の技術課題として見守りセンサーやバイタル機器、介護記録などに散在するデータの統合が挙げられた。また、熟練職員の気づきや判断を記録・共有し、AIが扱える情報に変換する技術も重要な開発テーマとなっている。

国内の特許出願では、見守り・異常検知、介護記録の生成、利用者の状態に応じた提案に関する内容が確認された。一方で、今回の検索範囲において介護ロボットとAIの連携や、職員配置・業務計画の最適化に関する確認例は限られており、複数技術を組み合わせる余地があると考えられている。
注目企業の動向と現場での想定活用場面
調査では、各社の強みを生かした介護バーティカルAIの取り組みが確認された。ソフトバンクグループ株式会社は、見守りや体調変化予測、個別ケア提案、業務効率化まで幅広い領域で出願が確認され、複数データを組み合わせる統合型の開発が特徴となっている。パラマウントベッド株式会社は職員の気づきや介助ノウハウをデータ化して共有・活用する技術を展開し、コニカミノルタ株式会社は複数施設のデータを比較して課題やケア上の注意点を把握する技術に取り組んでいる。
介護現場では、センサーや映像から変化を捉えて職員へ知らせる「夜間の見守り・異常検知」、音声や観察情報を整理する「介護記録・申し送り」、利用者の状態や介助履歴を踏まえて介護ロボットの動作等を調整する「移乗・移動支援」といった場面での活用が想定される。
現場導入に向けた運用設計とデータ管理
介護現場への導入にあたっては、AIの機能や精度だけでなく、日々の業務に無理なく組み込める運用設計が求められる。施設と開発企業が初期段階から確認すべき項目として、見守り機器や介護記録などの重複入力を防ぐ「既存システムとの連携」、通知や提案の理由を確認できる「判断根拠の分かりやすさ」、映像・音声の保存範囲や閲覧権限を整理する「プライバシーと運用」が挙げられている。
会社概要
- 会社名:リーガルテック株式会社
- 設立:2021年3月
- 資本金:4億9,300万円(資本準備金含む)
- 代表取締役CEO:平井 智之
- 所在地:東京都港区虎ノ門5-13-1 虎ノ門40MTビル4F
- URL:https://www.legaltech.co.jp/
- 事業概要:特許調査・発明抽出プラットフォーム「MyTokkyo.Ai」の提供・開発、知の資産化ナレッジベース「IPGenius」の提供・開発、秘密情報の共有データルーム「リーガルテックVDR」の提供・開発
本記事はリーガルテック株式会社の発表をもとに作成。
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