日本ロレアル 第21回女性科学者日本奨励賞の受賞者4名を発表
日本ロレアルは9月2日、2026年度 第21回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」の受賞者4名を発表しました。あわせて「次世代の女性科学者が描く未来 —多様性から紐解く科学の可能性—」と題したパネルディスカッションが開催され、女性科学者の増加に向けた課題について議論が行われました。
物質科学と生命科学の2分野で若手研究者4名が受賞
本賞は、国内で物質科学および生命科学の博士後期課程に在籍または進学予定の若手女性科学者を対象に、優れた研究者を支援する目的で2005年に創設されました。審査では研究の達成度やテーマ設定の独自性、困難への対処力、柔軟な発想などが総合的に評価され、受賞者にはそれぞれ奨学金100万円が贈られます。
2026年度の受賞者は以下の4名です(肩書は2025年応募当時、年齢は2026年9月2日時点)。
- 物質科学分野:梶原美紀氏(27歳、中央大学大学院 理工学研究科)
研究内容:レーザー光を利用したマイクロ・ナノ粒子の高速射出技術の開発と材料高機能化
- 物質科学分野:杉村晴菜氏(27歳、奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科)
研究内容:新規反芳香族イソフロリンの合成および設計指針に関する研究
- 生命科学分野:大蘆彩夏氏(28歳、岡山大学学術研究院 環境生命自然科学学域 助教)
研究内容:アホロートルを用いた皮膚I型コラーゲン構造形成メカニズムの解明
- 生命科学分野:桐野桜氏(35歳、東京科学大学大学院 医歯学総合研究科 プロジェクト研究員)
研究内容:消化管の再生力を支える、細胞の若返りのメカニズムと意義
授賞式では、駐日フランス大使のベアトリス・ル・フラペール・デュ・エレン氏や、文部科学省国際統括官で日本ユネスコ国内委員会事務総⻑の原克彦氏から祝辞が贈られました。
女性研究者が直面する構造的課題を議論
第2部では、東京科学大学リベラルアーツ研究教育院准教授でジャーナリストの治部れんげ氏をモデレーターに迎え、受賞者4名によるパネルディスカッションが行われました。
総務省の令和7年科学技術研究調査結果によると、国内の女性研究者数は過去最多の19万400人、研究者全体に占める割合も過去最高の19%となったものの、国際的には依然として低い水準にあります。セッションでは、登壇者が科学の道を選んだきっかけを振り返る一方、研究活動と出産・育児などのライフイベントの両立や、女性研究者が少ないことによる孤独感、周囲のアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)といった課題が共有されました。
女性科学者を増やしていくための取り組みとして、登壇者からは幼少期からジェンダーの枠組みにとらわれず多様な体験やロールモデルに触れる機会の重要性が挙げられました。また、周囲の大人が性別による固定観念を持たずに本人の関心を尊重する環境づくりや、長期的な支援の継続が必要であるとの意見が交わされました。
日本ロレアルが日本ユネスコ国内委員会の協力のもと推進する本制度の概要は以下の通りです。
- 対象:物質科学、生命科学分野で博士後期課程に在籍または進学予定の40歳未満の女性科学者
- 表彰内容:各分野から原則各2名(計4名)を選出し、奨学金100万円を贈呈
- 実績:2024年度を含めこれまでに75名が受賞
本記事は日本ロレアルの発表(総務省「令和7年科学技術研究調査結果」のデータ含む)をもとに作成しました。
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