サイカルトラスト、AIの自律決済を相互審査し統制する特許査定を受領
サイカルトラスト株式会社は、自律型AIエージェントの行動を審査・統制する技術に関する特許(特願2026-180158)について、特許庁より特許査定を受領し権利化が確定したと発表した。特許番号は付番後に公表される予定である。同技術は、AIによる取引要求を一時保留し、複数のAIモデルによる厳格な相互判定を経て認可証明書を発行することで、安全なオンチェーン金融取引の実現を目指す。
AIエージェントの要求を相互審査する仕組み
今回権利化が確定した技術は、自律型AIエージェントによるアクション要求を即時に承認せず、安全のために一旦保留する仕組みを備えている。AI認証局の役割を担う「鑑定証明システム(R)」が、異なる主体によって運営される複数のAIモデルを「AIオーケストレーション」で束ね、合議制のように厳格な相互判定を実施する。

審査に合格した要求に対してのみ「VC(認可証明書)」が発行されて処理が実行され、不合格となった場合は保留措置が取られた上でAIエージェントの運営主体へ通知される。これにより、AIの行動をAIが審査する体制を構築し、堅牢なAIガバナンスを提供するとしている。

AIエージェントとブロックチェーンを組み合わせた「次世代AI・オンチェーン金融構想」が進む一方、オンチェーン取引には一度確定すると取り消しや「組戻し」ができない構造的課題がある。また、取引履歴の公開に伴うプライバシーリスクや、小口決済の累積による未承認規模の資金移動、マネー・ローンダリングの懸念も指摘されている。

同社は「鑑定証明システム(R)」による実行と承認プロセスの分離によって不可逆な誤動作や資金流出を防ぐほか、ゼロ知識証明に関する特許群との組み合わせによる取引履歴の秘匿化を図る。さらに、単発の少額決済だけでなく時間軸やAI間の委任関係を含めた全体像を統合審査することで、異常な挙動の早期検知と巨額流出の未然防止に対応するとしている。
須江剛代表取締役の見解

サイカルトラスト代表取締役の須江剛氏は、次世代AI・オンチェーン金融構想PT提言を全面的に支持するとした上で、自律的AIに実行権限を一度与えると事後的な停止が極めて困難になる点に警鐘を鳴らしている。
同氏は、決済インフラを国内に確保するだけでなく、ネットワーク上の自動取引を検証し必要に応じて止められる統制力を自ら持つことが主権確保に不可欠であると指摘。同日付で権利化を完了したAIオーケストレーションによるVC自動発行技術と合わせ、判断の証明と行為の統制という二層構造で次世代金融インフラの安全網を築く意向を示した。また、今後も分割出願などを継続して知財基盤を強化していくとしている。
- 会社名:サイカルトラスト株式会社
- 所在地:東京都渋谷区
- 代表者:代表取締役 須江剛
- 事業内容:AIオーケストレーションとブロックチェーンを用いた鑑定証明システム(R)の開発
- 主な実績:2025年に「発明大賞(発明功労賞)」を受賞、国際標準規格「ISO 26345」(TC 307にて策定中)の提案・原案作成を主導
本記事はサイカルトラスト株式会社の発表および自由民主党政務調査会デジタル社会推進本部、金融庁等の公表資料をもとに作成しました。
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