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シヤチハタなど3社、音声来歴検証にC2PA署名主体を確認できる仕組みを実装

シヤチハタ、エヴィクサー、サイバートラストの3社は、シヤチハタのコンテンツ来歴検証サービス「SIGNED SOUND(音のしるし)」において、音声コンテンツの来歴情報に誰がいつ署名したかを確認できる仕組みを実装したと発表しました。本機能により、ディープフェイクや偽・誤情報の拡散リスクに対し、配信元が自社の音声コンテンツの真正性を国際標準規格「C2PA」で証明できる環境を提供します。

実装の背景と解決する課題

生成AIの普及に伴い、ディープフェイクの悪用や偽・誤情報の拡散が深刻な社会課題となっています。自治体の公式発表や報道機関の映像、企業の広報・IRコンテンツなどが、一部の切り取りや順序の入れ替え、合成音声の挿入による改ざんリスクにさらされています。

コンテンツの出所と来歴を検証する国際標準規格「C2PA」の活用が進む一方、従来の仕組みでは来歴情報がSNSへの再アップロードやデータ変換の過程で外れてしまう課題がありました。C2PAではこれに対応するため、コンテンツ自体から来歴を照会し直す「ソフトバインディング」を標準仕様に定めています。今回の取り組みでは、このソフトバインディングを音響識別技術で実装し、記録された来歴情報の署名主体を電子証明書で確認できるようにしました。

なお、本サービスが確認できるのは登録された原本との照合結果および記録された来歴情報であり、C2PA署名やタイムスタンプを含め、コンテンツ内容の真実性や発信者の権限、法的真正性を保証するものではありません。

C2PA署名を支える3社の役割

本機能の実装にあたり、3社はそれぞれの技術や知見を連携させています。

  1. シヤチハタ

コンテンツ来歴検証サービス「SIGNED SOUND」としての統合およびプラットフォーム運営を担い、来歴証明書の発行主体となります。配信元は配信前にコンテンツへ来歴情報を付与し、配信後は登録原本との対応関係を照会できます。

  1. エヴィクサー

動画や音声のトラックに知覚されにくい電子透かしを埋め込み、音声の特徴点(音響フィンガープリント)を抽出する音響識別技術を提供します。これらのアルゴリズムは「C2PA公式Soft Binding Algorithm List」に登録されており、再エンコードやスピーカーからマイクを通じた空間伝搬を経ても照会できるよう設計されています(すべての処理条件で検出を保証するものではありません)。

  1. サイバートラスト

電子証明書「iTrust C2PA用証明書」とタイムスタンプを提供し、来歴情報の発行組織や発行日時の信頼性確保を担います。

技術の構成と今後の展望

SIGNED SOUNDにおける来歴情報は、音響電子透かし、音響フィンガープリント、サイバートラストの電子証明書によるC2PA署名の3層で構成されています。これにより、来歴情報がファイルから切り離された場合でも、コンテンツの音声から照会することが可能です。

なお、エヴィクサーの技術登録はアルゴリズム単位のものであり、SIGNED SOUNDがC2PA適合製品として公開リストに掲載されたことや準拠製品認定を取得したことを示すものではありません。また、電子署名法上の真正な成立の推定を当然に生じさせるものではなく、認定タイムスタンプと同等の法的効力を保証するものではないとしています。

今後3社は、この来歴検証の仕組みを自治体や報道機関、企業の広報・IRなどの配信元に向けて展開し、偽・誤情報の抑止とデジタルコンテンツの信頼性向上に取り組む方針です。また、外部の開発者やパートナーが自社サービスに組み込めるよう、APIやSDKの提供も検討していくとしています。

参画企業の概要

  • シヤチハタ株式会社:代表取締役社長 舟橋 正剛、本社 愛知県名古屋市西区天塚町4-69。電子印鑑・電子決裁「Shachihata Cloud」などを展開し、新規トラスト事業に取り組む。売上高182億円(2025年6月期 単体)。
  • エヴィクサー株式会社:代表取締役社長 CEO 瀧川 淳、本社 東京都中央区新川1-17-22 松井ビル1階。音響識別技術を中核としたソリューションを提供。売上高3億2,000万円。
  • サイバートラスト株式会社:代表取締役社長 北村 裕司、本社 東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル31階。認証・セキュリティ技術を活用したトラストサービスやプラットフォームサービスを展開。売上高83億6,000万円。

本記事はサイバートラスト株式会社、シヤチハタ株式会社、エヴィクサー株式会社の発表をもとに作成しました。

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