メンテル、空調制御や電力需給など設備制御を最適化するモジュールを開発

株式会社メンテルは、空調制御や電力需給などの設備制御を最適化するモジュール群の独自開発を完了した。これにより、設備の稼働実態や負荷予測に基づいた最適な制御計画の策定が可能になる。同社は2024年6月から、個別の顧客に対してこれらのモジュールを機能提供する形で実装していく予定だ。

建物のCO2排出量は国全体の30%を占めており、2040年までに40%の削減目標が掲げられている。特に空調用途の削減ポテンシャルが大きいとされる。また、地域レベルでは蓄電池や電気自動車を活用した電力需給の調整にも期待が寄せられている。

メンテルが開発したモジュール群は、これらの課題に対応するために、設備の制御計画を半自動化する機能を有している。多様な設備に対応できるよう、モジュールをカスタマイズすることで、ユースケースに応じた最適な制御計画の実現を目指す。

提供される主な機能は、1)対象設備の稼働実績データを用いた運転効率や経年劣化の定量評価、2)カレンダー情報や気象条件の入力による設備の稼働負荷予測、3)設備仕様と負荷予測に基づいた最適な運転計画の策定、の3つの組み合わせとなる。

本モジュールは、すでに某大型商業施設における空調制御の最適化で活用され、年間のエネルギー消費量を5-10%削減する効果が検証されている。今後は対象設備の拡張と、建物単体だけでなく地域スケールでの実績創出を目指していくという。

メンテルは「サステナブルな建物へのアップデートを永続的に」をミッションに掲げ、AIを活用した設備制御の最適化ソリューションを提供している。建物や都市のゼロカーボンに向けた取り組みが加速する中、同社の技術に注目が集まりそうだ。