小牧市、交通違反データ活用し交通安全対策の実証実験開始
愛知県小牧市は、生活道路における交通事故削減を目的とした実証実験を2024年4月1日より開始した。この実験は、小牧市とジェネクスト株式会社が共同で行うもので、「KOMAKI Innovation Challenge」プロジェクトの一環として採択された。
「KOMAKI Innovation Challenge」は、アーバン・イノベーション・ジャパン(UIJ)が運営するプロジェクトで、スタートアップ企業と自治体が協働し、社会課題解決に取り組むものだ。今回のプロジェクトでは、3つの課題について実証参加企業を募集し、そのうち2課題について事業者が採択された。
実証実験では、ジェネクストが開発・運営する道路交通法違反検知アプリ「AI-Contact」から取得される違反データを元にした「AI-Contact DATA」による交通違反マップを活用する。このマップから小牧市の生活道路の状況を把握し、効果的な交通安全対策について検証が行われる。
小牧市は交通の要所を有する内陸工業都市だが、交通安全対策に活用できる効果的な情報が不足していることを課題としていた。そこで、ジェネクストが保有する全国の違反データを活用することで、有効な交通安全対策・啓蒙活動ができると考え、実証実験に至った。
「AI-Contact」は、スマートフォンの位置情報と標識情報データベースを照合させ、社用車の交通違反を可視化する企業向けアプリだ。導入企業では事故件数の大幅な減少や自動車保険料のコストカットなどの効果が報告されている。
ジェネクストは「事故のない社会へ」をミッションに掲げ、SDGsの目標3「世界の道路交通事故による死傷者を半減させる」の実現に向けて取り組んでいる。2020年10月には「かながわSDGsパートナー」にも認定された。
今回の実証実験は、データを活用した効果的な交通安全対策の検討に役立つことが期待される。実験期間は2024年8月31日までの約6ヶ月間で、その結果を踏まえた更なる取り組みにも注目が集まる。