Join導入で医師の負担軽減、労働時間半減

株式会社アルムが開発・提供する医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」が、医師の働き方改革に寄与している。このアプリは、医療情報を共有し、診療を可能にするもので、院内だけでなく、夜間・休日に専門医が院外にいる場合でも、チャットや画像を用いて情報共有やコンサルテーションを行うことができる。これにより、病院に駆けつけることなく自宅等からの診療サポートが可能となり、オンコール勤務の負担を軽減する。

Joinを導入した医療機関の一つである和歌山県の公立那賀病院では、脳神経外科の医師が2名でオンコール体制を構築していたが、Join導入後、救急時の不要な呼び出しが85%削減された。また、当直医へのアンケートでは、89%が当直時の負担軽減を感じたと回答している。さらに、時間外労働は641時間(2019年)から310時間(2022年)へと半減した。

日本の医療は医師の長時間労働により支えられてきたが、2024年4月より医師の残業時間に上限を設ける制度がスタートする。このような状況の中で、医師が健康に働き続けられる環境を整備することが求められている。アルムは、医療現場の働き方の効率化を医療DXで実現することで、医療業界の課題解決に貢献していくとしている。

Joinは、医療関係者が高セキュリティ環境下でコミュニケーションをとることができるアプリで、標準搭載されたDICOMビューワーで医用画像を閲覧、チャットに共有することが可能だ。これにより、夜間休日などに院外にいる医師へのコンサルテーションツールとしての活用や、救急患者の転院時の病院間連携・情報共有などに利用されている。日本ではじめて保険収載されたプログラム医療機器であり、日本、米国(FDA)、欧州(CE)、ブラジル、サウジアラビアなどの医療機器認証を取得している。

アルムは「すべての医療を支える会社(All Medical)」として、「Shaping Healthcare」をコーポレートメッセージに掲げ、ICTの力で医療の格差・ミスマッチをなくし、全ての人に公平な医療福祉を実現することを目指している。また、医療ICT事業では、グローバル展開に積極的に取り組み、日本発の医療ICT企業として累計32カ国へのソリューション提供を行っている。