キヤノンMJ、ドローン物流のエアロネクストに出資
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(キヤノンMJ)は、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「Canon Marketing Japan MIRAI Fund」を通して、ドローンと陸上輸送を融合した新たな物流インフラ「SkyHub®」を展開するスタートアップ企業の株式会社エアロネクストに出資した。
エアロネクストは、物流用ドローンにおける独自技術「4D GRAVITY®」の特許を保有し、各ドローンメーカーにライセンスを提供している。また、100%子会社の「NEXT DELIVERY」がSkyHub®を地方自治体で運営し、これまで培ったノウハウやツール、オペレーションの一部を「SkyHub® Provider License」として運送会社に提供することで、ラストワンマイル配送の効率化に貢献している。
SkyHub®は、ドローン輸送と陸上輸送を用いた共同配送の仕組みであり、物流各社の荷物を一時集積所である「ドローンデポ®」に集積し、次世代輸送配送管理システム「SkyHub® TMS」を用いて最も効率の良い配送方法を算定し、その結果をもとにドローンまたは陸上輸送によって各家庭に荷物を届ける。
日本の物流業界は高齢化が進んでいるほか、2024年4月から施行された働き方改革関連法によるトラックドライバーの時間外労働時間の制限(960時間)に伴う人手不足などの問題を抱えている。また、物流事業者は中小事業主が多く、多重下請け構造となっていることが効率化のためのハードルとなっている。輸送能力の減少による影響を最も早く受けるのが過疎地であり、エアロネクストは過疎地を含む地域社会のラストワンマイル物流に関わる課題解決に取り組んでいる。
キヤノンMJは、エアロネクストが物流用ドローンにおける強力な特許を持っている点や、ドローンを活用した物流という新しい概念を日本各地に導入してきた実績、そして規制改革に繋がる政策提案の実行力に魅力を感じ、今回の資金調達に参画した。本出資を通じて、「レジリエントな社会を支える物流インフラの実現」をテーマとする新たな事業の創出を目指すとしている。