杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』、40万部突破を記念し季節限定カバー登場

杉井光氏の著書『世界でいちばん透きとおった物語』(新潮文庫nex)が、40万部突破を記念して季節限定のダブルカバー仕様で発売される。この限定版のカバーイラストは、人気イラストレーター「ふすい」氏による完全描き下ろしで、新緑の季節をイメージした美麗なイラストが特徴だ。この特装版は、紙の本ならではの印刷と紙質に趣向を凝らしたもので、3月19日以降、全国の書店で順次発売されている。

『世界でいちばん透きとおった物語』は、「ネタバレ厳禁」「電子書籍化映像化絶対不可能!?」というキャッチフレーズで話題を呼び、YouTubeやSNSで大きな反響を呼んだ。口コミでは「今までに読んだ本で一番の衝撃」、「本の形をした芸術作品」、「何を言ってもネタバレになるから、スゴイとしか言えない」といった感想が寄せられ、一時は入手困難になるほどの人気を博した。

本書は、紙の書籍でしか実現できない仕掛けが施されており、これが普段あまり本を読まない読者や10~20代の読者にも広く支持され、異例のヒットとなった。著者の杉井光氏は、これまでの読書人生で一度だけ、読み終わった後に言葉を失うしかなかった本に匹敵する強烈な読書体験を読者に提供したいという想いから、このアイディアをプロットに落とし込んだと語っている。

また、全国の書店員からも「紙の本が持つ可能性、本への愛情を感じた」「本の素晴らしさを改めて教えてくれた1冊」といった感想が寄せられ、TBS系「王様のブランチ」「ひるおび」、朝日新聞「売れてる本」日経新聞「ベストセラーの裏側」など、数々のメディアが取り上げている。

本書の仕掛けを読み解くヒントとして、「電子書籍化絶対不可能」「タイトル『世界でいちばん透きとおった物語』」「単行本ではなく文庫書き下ろし」が挙げられている。また、YouTuber「TERUちゃん」の紹介動画が大反響となり、「Amazon本の売れ筋ランキング2位」に急上昇した。

推薦コメントも寄せられており、小説紹介クリエイターのけんご氏は「洗練された文章に惹き込まれ、清らかな物語に心を掴まれた」と評価。作家の北村薫氏は「「     」の謎が解けた時、完結する透きとおった物語。ここに、純粋な、仕掛けへの愛がある」とコメントしている。

杉井光氏は、電撃小説大賞の銀賞を受賞し、2006年に電撃文庫『火目の巫女』でデビュー。その後電撃文庫「神様のメモ帳」シリーズがコミカライズ、アニメ化され、ライト文芸レーベルや一般文芸誌で活躍している。