東工大と医科歯科大、NECが生成AI人材育成で連携

東京工業大学と東京医科歯科大学は、両大学の学生を対象とした生成AIを活用したアプリケーション作成コンテストを開催した。このコンテストには、東京医科歯科大学とNECが協力した。学生が生成AIに触れ、体験的に学ぶことで、AIスキルの重要性を理解すると共に、その習得に向けた機会とすることが目的だ。

NECは、独自開発した高速・高性能な大規模言語モデル「cotomi」の提供、および参加者に対する生成AIを実践的に活用するための教育を実施した。現在、生成AIをはじめとするAI技術の進展は極めて急速であり、多くの産業分野でその応用が進んでいる。AIの適応領域の広さから、あらゆる分野において高度なAIスキルを持つ人材へのニーズが高まっており、高度AI人材の育成が急務となっている。

コンテストは2024年8月8日から9月11日まで開催され、東工大・医科歯科大の学生約40名が参加した。参加者は自身の視点での困りごとを解決するアプリケーションを、NECが開発したLLMを活用して開発した。技術的観点だけでなく、誰にどのような価値をもたらすアプリケーションなのかを総合的に評価することで、社会に役立つAIを開発する人材の育成に貢献することを目指した。

最優秀賞に選ばれたのは、日記アプリ「Ciary」だ。Ciaryは日記を分析することで、ユーザーの活動を記録し、医学的症状を特定する機能を提供する。チャット機能により、ユーザーと対話しながら重要な情報を取得できる。優秀賞には、従来患者が紙に記載していた頭痛ダイアリーをアプリ化した「デジタル頭痛ダイアリー with cotomi」が選ばれた。cotomiとの対話を通じて頭痛の誘発要因を特定し、患者にあった対応を提案できる可能性がある。

NECは、様々な社会課題に対して、大学をはじめとするアカデミアと連携したオープンイノベーションを推進しており、今後もAI分野における研究・開発に留まらず、その活用人材の育成に注力し、社会全体・AI市場の活性化に貢献していく方針だ。