理研ジェネシスと日立、AIでタンパク質解析サービスを高度化

株式会社理研ジェネシスと株式会社日立製作所は、日立の説明可能なAI「B3」と生成AIを活用し、理研ジェネシスが提供するタンパク質定量解析「Olink Explore」を高度化した新サービスの提供を開始した。

「Olink Explore」は、微量の血清・血漿検体から多数のタンパク質を網羅的に解析できる技術で、理研ジェネシスが国内外にサービス提供している。今回の新サービスでは、「Olink Explore」の膨大なアウトプット情報に、日立独自の「B3」や生成AIを組み合わせて解析することで、薬剤の効果や疾患発症のメカニズム解明、新規タンパク質バイオマーカーの探索を迅速化する。

両社は2024年3月から5月にかけて、「Olink Explore」のアウトプット情報を「B3」や生成AIで解析するPoCを実施。その結果、疾患と遺伝子・たんぱく質の相互作用の情報が従来よりも迅速に入手・検索可能になることを確認した。

「B3」は非線形な解析モデルをシンプルな線形モデルで表現できるため、AIの導き出した結果を人が解釈しやすい。また、検体数が少ない研究でも精度を保った解析が可能だ。生成AIを活用することで、エンリッチメント解析で得られた遺伝子機能に関する文献調査や、グラフ・表・要約をまとめたレポート資料の作成も効率化できる。

理研ジェネシスは、最先端の遺伝子解析技術やバイオインフォマティクスを活用した遺伝子受託解析サービスや製品を提供する企業。一方、日立はヘルスケア分野を注力事業の一つとしており、バイオ医薬分野では創薬プロセス全体の期間短縮やコスト削減への貢献をめざしている。今回の協業はその一環となる。

両社は本サービスにより、個別化医療をはじめとする次世代医療の発展に貢献していく考えだ。