カレー物価高騰続く、7月は1食342円

株式会社帝国データバンクが独自に試算した「カレーライス物価指数」によると、2024年7月のカレーライス1食当たりの費用は342円となり、2015年以降の10年間で最高値を更新した。前年同月の298円から44円の大幅上昇を記録し、安価で手軽に調理できるカレーライスのコスト負担増が続いている。

カレーライス物価の上昇は、主に「コメ」価格の急騰が大きな影響を及ぼしている。また、天候不順によるジャガイモなどの野菜類の品薄状態も物価を押し上げる要因となった。カレーライス物価を構成する費用の内訳では、全体の約6割を占める「カレー具材(肉・野菜)」が前年同月から28円増の211円となり、輸入牛肉の価格上昇と野菜類の高値推移が影響した。

特に注目すべきは、「ごはん(ライス)」の価格上昇だ。ライスの1食当たり費用は101円と前年同月から14円増加し、過去10年で最高値を記録した。一方、「カレールー」と「水道光熱費」では、前年同月から大幅な変化はなかった。

「カレーライス物価指数」は2020年平均を100とした指数で、2024年7月は124.8となり、前年同月比で14.7%上昇した。これは14カ月連続のプラスであり、10%を超える上昇幅は2015年以降の10年間で初めてとなる。

東京都区部の物価動向を基に予想した8月のカレーライス物価は、1食350円を超える見通しだ。野菜価格動向では、ジャガイモとタマネギが平年を上回って推移すると予想され、記録的高値が見込まれる。また、コメ価格の落ち着きは数カ月先になるとみられ、カレーライス物価は当面の間、値上がり局面が続くと予想される。