Leminoが9.3井上尚弥戦でAI実証を実施、新たなユーザー体験創出へ

NTTドコモの映像配信サービス「Lemino」は、2024年9月3日に行われた井上尚弥選手とTJ ドヘニー選手の世界タイトルマッチの生配信において、日本電気株式会社(NEC)の映像認識AIと大規模言語モデル(LLM)を活用した実証実験を実施した。

この実証実験では、NECのデータ活用基盤ソリューション「NEC Multimedia OLAP」を用いて、ストリーミング映像からリアルタイムにハイライトシーンを抽出。複数の認識AIによるマルチモーダル分析手法により、多角的にシーンを選択した。さらに、LLMを活用することで、臨場感のある表現や特定の選手に焦点を当てた描写など、多様な視点でストーリーが感じられる要約文章を自動生成した。

抽出されたハイライト映像・画像と生成された要約文章は、実証用に準備されたSNSに配信。また、ラウンド毎に特徴的なシーンの抽出と、ダイジェスト文および各選手の動きに焦点を置いた説明文の作成を行い、ラウンド間のインターバル中に配信された。これにより、ユーザーはSNSでリアルタイムに試合状況を把握することが可能となり、場所やシーンを選ばず、より手軽に臨場感あふれる情報を入手できた。

今後は、利用者からの指示を元に該当するシーンを要約した映像や文章を生成できるため、運営側での配信負担軽減のみならず、ユーザーが求める臨場感のあるハイライトシーン投稿を自動生成するサービス開発などへの活用が期待される。