銀座ソニーパークが建て替え竣工、「銀座の公園」へ

ソニー企業株式会社は2024年8月21日、東京・銀座のソニービルの建て替えプロジェクト「Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)」の竣工を発表した。1966年に「街に開かれた施設」をコンセプトに建設されたソニービルは、10坪の「銀座の庭」と呼ばれるパブリックスペースを備え、長年親しまれてきた。新しいGinza Sony Parkは、この「銀座の庭」を継承・拡張した「銀座の公園」として生まれ変わる。

Ginza Sony Parkは地上5階、地下4階建てで、銀座の標準的な建物の半分ほどの高さに抑えられている。これにより、集積率の高い都会の中に余白と新しい景観を生み出している。ソニービルの「街に開かれた施設」という設計思想と、「ジャンクション建築」「縦のプロムナード」といった建築的要素も継承されている。

ソニービルの創業者である盛田昭夫が「銀座の庭」と呼んだパブリックスペースの思想を受け継ぎ、Ginza Sony Parkは「銀座の公園」として拡張。人々が思い思いに過ごせる余白と、体験型のプログラムや飲食などのアクティビティで、街や人々に新しいリズムを生み出す場を目指す。

Ginza Sony Parkは稀有な立地にあり、地上は三方が道路に面し、地下は地下鉄コンコースと地域最大級の地下駐車場に直結。ソニービルから続く「ジャンクション建築」の考えを継承し、内と外をシームレスにつなぐ空間を実現している。また、地下3階から地上5階まで建物全体をつなぐ新たな「縦のプロムナード」も備える。

銀座では珍しい打ち放しコンクリート建築で、ステンレスのグリッド状のフレームが機能的なファサードと共同溝の役割を担う。このフレームは公園と街のバウンダリーともなり、吹き抜け空間に木漏れ日のような光の変化をもたらす。

Ginza Sony Parkの竣工は、ソニービルの建て替えプロジェクトが2013年に構想を始動してから11年の歳月を経たもの。当初は公園の計画はなかったが、ソニーらしい大胆でユニークな発想で、銀座の街に新しいリズムを生み出し、人々が気分に合わせて過ごせる場を目指した結果だ。2025年1月のグランドオープンに向け、ソニーの個性を未来に形にするGinza Sony Parkに注目が集まる。