ライオンと日立、歯科受診で仕事のパフォーマンス改善率約1.5倍と発表
ライオン株式会社と株式会社日立製作所の日立健康管理センタは、従業員の歯科受診と仕事のパフォーマンスの関係に関する共同研究結果を発表しました。口腔内の所見およびプレゼンティーズム(健康上の問題による生産性低下)があり過去1年間歯科を受診していなかった従業員のうち、その後1年間に歯科受診した群は、受診しなかった群と比べて仕事のパフォーマンス改善率が約1.5倍高かったことが確認されました。あわせて、研究知見や企業での実践ポイントをまとめた「働く人のおくち白書」がウェブ上に公開されました。
歯科受診によるパフォーマンス改善と損失推計
本研究では、企業健診で口腔チェックを受けた従業員のうち、口腔内の所見とプレゼンティーズムが認められ、過去1年間歯科を受診していなかった人を対象に、翌年の健診までの1年間の変化を追跡調査しました。

その結果、1年以内に歯科受診をした群は、受診しなかった群と比べて経済産業省推奨のプレゼンティーズム指標(WFun)の改善率(労働機能に問題がないとされる14点未満への改善)が約1.5倍高いことが判明しました。歯科受診が従業員の生産性改善に繋がる可能性を示した知見は初めてとなります(PubMedおよび医中誌WEB掲載の原著論文に基づく2026年8月17日時点のライオン調べ)。


また、歯科受診の有無による指標の差をもとに推計したところ、歯科受診をしなかった群のパフォーマンス損失は、従業員100人あたり約2.6人分に相当する可能性があるとしています。

口腔所見があっても受診しない従業員が44%
調査対象となった従業員のうち、口腔内に所見が認められた人の44%が過去1年間に歯科を受診していないことも明らかになりました。企業内において、口腔内に所見があっても受診に至っていない人が一定数存在し、適切な受診支援による改善の機会が見過ごされている可能性があると推察されています。
本研究結果の一部は、2026年6月25日付で国際誌「Journal of Occupational and Environmental Medicine」に掲載されたほか、第99回日本産業衛生学会において「産業歯科保健部会長賞」を受賞しました。
白書の公開と産業医コメント
研究成果の活用に向けて公開された「働く人のおくち白書」では、10年以上にわたる共同研究成果の一部や、企業における歯と口の健康への取り組み方法が解説されています。
日立健康管理センタの中川徹主任医長は、職域で口腔健康評価を受けた後に歯科受診した従業員でプレゼンティーズムの改善がみられたことについて、口腔保健を個人のセルフケアだけでなく職場の健康支援として捉える意義を示唆しているとしたうえで、「企業が従業員の口腔不調に気付き、必要に応じてセルフケアや歯科受診に繋がる環境づくりを進めることが、健康経営において重要になる」とコメントしています。
ライオンは今後も、法人向けサービス「おくちプラスユー」などを通じ、研究知見を活かした製品・サービス開発や働きやすさ向上への取り組み支援を推進するとしています。
関連概要
- 日立健康管理センタ:株式会社日立製作所病院統括本部配下の施設で、茨城地区を中心とした事業所の日立グループ従業員を対象に人間ドックなどを実施している。
- おくちプラスユー:唾液検査やセミナー、歯科医院の受診促進などを通じて、法人の従業員向けにオーラルヘルスケアの習慣づくりを支援するサービス。
本記事はライオン株式会社の発表をもとに作成。
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