交通空白解消へ新製品 恵那バッテリー電装

恵那バッテリー電装株式会社は、地方の交通空白問題解決を目的とした新製品「MOQUL MINI(モークル・ミニ)」を6月20日から発売する。モークルは、同社が開発・提供する車両運行管理システムで、公共バスやスクールバスに装着することで、利用者がLINEアプリでバスの現在位置を確認できる機能を提供する。これにより、バス停での置き去り問題を解消できる。

近年、公共バス路線の縮小・事業者撤退が進み、2019年度比で全国の路線は15%減少している。また、公立小中学校の統廃合が進む地域では、スクールバスを地域交通の担い手として活用する施策が進められている。

新製品のミニは、ドライブレコーダー機能を省くことで導入費用と利用料を抑えた。端末価格は従来の17万5千円(税別)から4万5千円(同)に、システム利用料は月額5,800円(同)から4,800円(同)に引き下げられた。また、端末の電源をシガーライターから取るだけの簡単装着とした。

同社社長の山口功司氏は、「主に自治体、教育委員会や特別支援学校などからの問い合わせがあるが、予算が導入の障害となることもあるため、簡易バージョンを提供することにした。地方では学校だけでなく医療や介護の交通空白を埋めるために民間のスクールバスやホテルの送迎用バスなどを利活用する取り組みが始まっており、国も後押ししている。当社は、モークルが利用者の利便性や安心感を高める役割を果たすと自負しており、年間300台の導入を目標としている」と述べている。