衛星画像でGHG排出量解析、損保ジャパンが実証実験

損害保険ジャパン株式会社、SOMPOリスクマネジメント株式会社、およびイスラエルのスタートアップ企業であるMomentick Ltd.は、温室効果ガス(GHG)の排出量を衛星画像で解析する技術の活用について実証実験を開始した。本実証実験では、GHGのうち、メタンの検知技術の検証を行う。

近年、地球温暖化による生態系の変化や異常気象が深刻化しており、世界全体で気候変動対策を進めることが喫緊の課題となっている。2023年に開催されたCOP28では、全てのGHGを削減しようとする国際的な取り組みが加速している。特にメタンは温室効果が二酸化炭素の25倍と強力であることから、排出規制が重要視されている。

本実証実験では、Momentick社がハイパースぺクトル分析とアルゴリズムを活用した独自のソフトウェアによって衛星画像から特定の資産周辺におけるメタン排出の量と場所の解析を行い、損保ジャパンおよびSOMPOリスクにその結果と知見を提供する。損保ジャパンとSOMPOリスクは共同で技術検証を行い、リスクコンサルティングサービスや保険商品開発での活用可能性を調査する。

技術検証にあたっては、二酸化炭素とメタンの濃度を宇宙から観測することを専門とした世界初の人工衛星である温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)シリーズによって取得したデータも活用。また、本実証実験の技術検証にあたっては、管理・保有施設の試験的な検査を希望する協力可能な企業を募集している。

本実証実験により、保険商品としては、メタンを多く含む天然ガスの漏洩に対しての補償、メタンが排出検知された施設の調査・修復費用の補償、有機廃棄物の埋立て場跡地に滞留するメタンの検知と連動する補償などを幅広く検討していく。また、Momentick社と連携した排出検知サービスを、SOMPOリスクを通じて希望する企業へ提供することを検討している。さらに、本実証実験の結果を踏まえ、二酸化炭素の排出について衛星画像による解析を行う実証実験にも移行していく予定だ。

損保ジャパンおよびSOMPOリスクは、今後も企業活動を継続するうえで対応が必要な温室効果ガスの削減をリスクマネジメントの観点から促進することで持続可能な社会の実現を目指し、SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の取組みに貢献する。

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