キヤノン、4Kリモートカメラシステムを機能強化

キヤノンは、4Kリモートカメラとリモートカメラコントローラー向けに、自動追尾などの機能・性能向上を図るファームウエアの無償提供を2024年7月中旬に開始する。同時に、「自動追尾アプリケーション RA-AT001」をはじめとした各種アプリケーションのアップデート版の提供も開始される。

対象となるリモートカメラは、「CR-N700」、「CR-N500」、「CR-N300」、「CR-N100」、「CR-X300」の5機種で、リモートカメラコントローラーは「RC-IP1000」が対象だ。

「自動追尾アプリケーション RA-AT001」では、追尾対象の人物が他の人物と交錯した場合でも、他の人物に乗り移らずに追尾対象を追従し続ける性能が向上する。また、追尾中の動き出しと止まり際がよりなめらかで自然な動作に近づけられている。さらに、コントローラーから自動追尾の詳細設定が可能になり、PCを使用しない運用にも対応する。なお、「自動追尾アプリケーション RA-AT001」の基本機能は、無償提供が開始される。

リモートカメラ「CR-N300」、「CR-N100」は、USB通信の標準規格「UVC(USB Video Class)」に対応しており、USBケーブルでPCと接続するだけでウェブ会議用のカメラとして使用できる。出力フレームレートが、従来対応していた最大FHD12.5fpsから最大FHD30fpsに向上し、高品位な映像配信を実現する。出力フォーマットは、Motion JPEG形式に加えて、撮影後の画像処理などがしやすいYUV形式にも新たに対応し、さまざまなウェブ会議に活用できるようになった。

リモートカメラコントローラー「RC-IP1000」のタッチパネル上に、カメラに登録されたプリセット/トレース機能のサムネイル画像が表示可能になる。サムネイル画像を見ながら機能を呼び出せるため、操作ミスを低減し、直感的な制御ができるようになった。また、タッチパネル上に表示できる最大9台分のカメラ映像を、SDIおよびHDMIで外部モニターに出力可能になり、大画面でマルチ表示画面を確認しながら制御ができるなど、現場での運用性が向上する。

キヤノンは、4Kリモートカメラ、専用コントローラーのほか、用途に応じてカメラに機能を追加できるアプリケーションなどを展開し、リモートカメラシステムの製品ラインアップを強化している。今回のシステム全体でのファームウエアおよびアプリケーションのバージョンアップにより、各種機能・性能の向上を図ることで、映像制作現場の効率化・省人化や、ウェブ会議・講義配信などの映像コミュニケーションを支援していく。